沖縄の貧困と交通に関する調査
B4の上町剛志です.私は「沖縄の貧困と交通」をテーマに卒業研究に取り組んでいますが,この度その一環として沖縄に3週間滞在し,ヒアリングを中心とした調査を行いました.また,滞在中は琉球大学工学部の神谷研究室に席をおき,神谷大介先生や研究室メンバーの皆様に多大なるご協力をいただきました.
ヒアリングでは,行政の立場で交通計画に取り組む方々,福祉の立場で生活困窮者を支える事業に取り組まれている方々,車を持たずに生活されている母子世帯の方々など,テーマに関連する幅広い層にお話を伺うことができました.車社会と言われる沖縄で生活困窮世帯が移動に関して困っている実態,それに伴う活動の制約や,現状行われている経済的な支援・移動に関する支援とその限界などについて知り,貧困・交通の問題の根深さについて考えさせられました.
今回の調査で得られた内容を精査しながら,追加で分析・文献調査を行って卒業論文としてまとめていきます.すべての県民のより良い暮らしに貢献できる交通計画に繋がるよう,声を届けるための契機となるような論文にしたいと考えています.
神谷先生,神谷研究室の皆様,ヒアリングにご協力いただいた皆様に深く感謝申し上げます.皆様とまたお会いできる日を心待ちにしております.
[上町]
ヒアリング調査@上士幌町
長谷川です.私の研究テーマである「二地域居住」に関連し,北海道上士幌町にて二地域居住を行っている方や,これから移住・二地域居住を行うために居住体験をされている方に対し,ヒアリングを行いました.二地域居住の本質的なメリット・デメリットや,実際に二地域居住を始める際の障害について,異なる背景を持った複数の方々から伺うことができました.また,ヒアリング調査を進めつつ,私自身上士幌町の移住体験制度を利用し,2週間上士幌町体験住宅にて滞在させていただきました.ヒアリング内容とともに,今後の居住地選択モデルの定式化に大いに役立てる予定です.
上士幌町は自動運転バスの運行で有名です(今回もそれがきっかけで訪問させていただくことになりました)が,他にも無人コンビニやドローン配送など非常に先進的な取り組みを行っている自治体です.今回の経験は,人口減少が進む地方部の将来像として,良い面悪い面含め多くのことを考えさせられるきっかけになりました.
かみしほろコンシェルジュの井田様,若藤様にはヒアリングのサポートを始め,大変お世話になりました.この場をお借りしてお礼申し上げます.
[長谷川]
金沢大学からのご訪問
今週1週間,金沢大学修士2年の中川さんが弊研究室に来てくれています.自己紹介文を書いてくれたので,こちらで掲載させていただきます!(以下中川さんより)
金沢大学から来ました中川です.指導教員の壇辻先生を通じて福田先生にご招待していただき大変嬉しく思っております.約1週間の間滞在させていく予定です.
福田先生および学生の皆さんには,初日から馴染みやすい雰囲気を作っていただき大変感謝しています.また先日のゼミでの私の研究発表に対しては,細部までご質問やご提案をいただき大変有意義な時間になりました.この内容を持ち帰りこれからの研究に活かしていきたいと思います.残りわずかな期間ですがよろしくお願いします.
第22回行動モデル夏の学校
9月18日から20日にかけて,行動モデル夏の学校が本郷キャンパスとオンラインのハイブリッド形式で開催されました.今年も当研究室から,M1とB4の4名で参加しました.
今年の分析では,交通手段選択モデルを作成したうえでモデルをテストデータに当てはめ,モデルに当てはまらない人の特徴を分析することに挑戦しました.3日間少し苦戦しながらでしたが,エスキス等で先生方に頂いたアドバイスを参考にしながら,4名で力を合わせて結果を何とか出せるように奮闘し,夏の学校を通して行動モデルについて知識を深めたのはもちろんの事,メンバーの親睦を深める機会にもつながりました!
結果として賞には届きませんでしたが,発想や試みを先生方から評価して頂くことができました.私事ではございますが,福田研では例年M1とB4が参加するので,私にとってはこの夏の学校が2回目にして最後の機会でした.3日間学校にこもって行動モデルに集中するこの期間に,たくさん学習の機会を頂いたことは言うまでもなく,知識を深める良い経験となりました.ありがとうございました.[中村]
修了式 & Chee Yungさんより
9月22日(金),本郷キャンパスにて大学院の卒業式が行われました.KrittanaiさんとChee Yungさんが修士課程を修了しました.Krittanaiさんは,日本語クラスの賞である西野章代賞の表彰も受けました.Krittanaiさんは10月以降も研究室に残り,博士課程へ進学します.Chee Yungさんは卒業にあたって日本を去ることになりました.以下,Chee Yungさんからです(原文は英語ページ参照).
こんにちは,Chee Yungです.時が経つのは早いもので,私はついに東京大学を卒業しました.この2年間は,挑戦と成長,そして忘れられない思い出でいっぱいの素晴らしい旅でした.
最初の学期は,COVID-19による渡航制限のため,オンラインで授業や研究室ゼミに参加しなければなりませんでした.先生も学生もみんな親切で,さまざまな形で助けてくれましたが,物理的な交流ができないことは大きな課題でした.幸いにも2学期目には日本に到着でき,東京大学のみんなと直接交流できる旅の始まりとなりました.授業やプレゼンの準備は忙しかったですが,みんなと会い,日本の習慣を日々発見するのはとても楽しかったです.
東京大学での日々を終えるにあたり,私は指導教官の福田先生に心からの感謝を伝えたいと思います.特にパンデミックの真っただ中では,学術的なことだけでなく,日常生活や経済的なサポートまでしてくださいました.さらに日本滞在中,私は何度か失敗をしましたが,寛容に受け入れていただいたおかげで,私は安心して学び,成長することができました.このことは,私にとって研究をやり遂げるための大きな自信になりました.
さらに,幸運にも私はLIISのメンバーになることができました.私は日本の習慣をあまり知らず,日本語も得意ではなかったため,来日当初は不安でいっぱいだった.しかし,LIISのメンバーはみんな,非常に歓迎的で友好的でした.数多くの飲み会や,研究室旅行,鍋パーティー,花火大会,スキー,野球観戦などの様々なイベントを通して,私は徐々に日本の生活に適応し,毎日がより明るくなり,日本で過ごす時間がより楽しくなっていきました.今では彼らのことを日本で一番の親友と思うようになりました,一緒に過ごした日々の思い出は間違いなく私の宝物です!
研究に関しては,首都圏の鉄道ネットワークにおける旅客数を予測するため,時間動学的効果や,複数の鉄道会社の存在,異なる運賃制度,直通運転といった鉄道ネットワークのさまざまな特性を考慮した,semi-dynamic link-based transit assignment moelを開発しました.研究の過程で,私はいくつもの困難に遭遇し,失敗もしてきましたが,今ではこうした挫折も研究では当たり前に生じる過程だと思います.実際,これらのミスは,研究を大いに発展させ,研究の立ち位置をより強固にする貴重な機会となりました.”to err is human (過つは人の性) “ということわざがあるように,間違いを恐れず揺るぎない姿勢でい続けることの重要さを,身に染みて感じました.
本文を締めるにあたり,この2年間は日常生活においても研究においても,困難の連続でした.しかし,幸運にも日本滞在中,多くの方々からサポートをしていただきました.一人ひとりにこの文章内でお礼を申し上げることはできませんが,皆さんのご支援とご厚意が私の心に忘れられない思い出を残してくれました.最後に,皆さまのご多幸をお祈りするとともに,近い将来またお会いできることを楽しみにしています!
海外武者修行のご報告
長谷川です.一昨日までの3週間,工学系研究科の海外武者修行プログラムに参加してきました!
海外武者修行プログラムとは,「学生が自分自身で訪問先をアレンジして,海外の著名な研究室を訪問するための渡航支援の取組みである.自分の研究成果について発表を行い,各分野の一流の専門家からレビューを受けることにより,当該分野の国際コミュニティにおける自身の研究の立ち位置を確認し,研究のモチベーションを高めると同時に,国際共同研究のきっかけを掴むことが期待される」制度のことです(募集要項より引用).
前半はコペンハーゲン大学のFosgerau教授,後半はベルン大学のEhrlich教授を訪問しました.Fosgerau教授は福田先生が15年ほど前にデンマークで働いていた時からのご関係で,今回ご紹介いただくことができました.Ehrlich教授のEUにおけるplace-based policyの事後評価研究は,僕が卒論を書いていた時に最も参考にさせて頂いた論文であり,今回無理を承知で訪問をお願いしたところ,快く受け入れて頂きました.
お二方とも同僚の先生方を誘っていただき,僕の発表に対して都市・空間経済の専門的な立場から数多くのご質問やご意見を頂くことができました.特に二地域居住による日本の地方部の活性化というテーマに対し,海外で長年研究を積み重ねてこられた教授方から,興味深く重要な研究だと評価して頂けたことは,今後の研究の大きなモチベーションとなりました.
また,訪問先の学生のみなさんとの交流のなかで個人のバックグラウンドや現在行っている研究,お互いの国などについて語り合ったり,街で日常生活を送ったりするなかで,改めて日本や東京について外から見て考える良い機会になりました.
短い期間でしたがとても刺激的な毎日で,自分に足りない部分が明確になった3週間でもあったと思います.ぜひとも今後の研究の発展に活かし,またいつか教授方に成果をお聞きいただけることを楽しみに頑張っていきたいと思います![長谷川]
EASTS@Shah Alam
[2023年9月4-7日]
マレーシアのShah Alamで,第15回アジア交通学会(Eastern Asis Society for Transportation Studies; EASTS)が開催され,本研究室からはKrittanaiが研究発表を行いました.題目は以下の通りです.
How Do Fares Affect the Utilization of Ride-hailing Services: Evidence from Uber Japan’s Experiments (Sriwongphanawes Krittanai and Daisuke Fukuda)発表後には,会場の皆様と非常に刺激的なディスカッションをさせて頂き,各国でのライドヘイリングサービスの利用の現状について討論を行うことができました.たくさんのコメントや質問をいただき,ありがとうございました.
この論文はEASTSの最優秀賞候補となりました.最終的に惜しくも受賞には至りませんでしたが,EASTSの機関誌である「Asian Transport Studies (ATS)」に掲載される予定です.
また学会期間中,学術界,産業界を問わず多くの国の方と知り合うことができました.さらに最終日には,Shah Alamの高度道路交通システムについて学ぶため,スマート・セランゴール・オペレーション・センター(SSOC)への技術視察に参加しました.これもまた今後博士課程に進むうえで,将来の研究に役立つ経験と知識を得る非常に良い機会となりました.学会全体として,博士課程での研究への大きな刺激を受けることができたようです.素晴らしい経験をありがとうございました!
上北山村ヒアリング調査
[2023年8月28-31日]
奈良県吉野郡上北山村にて,早稲田大学佐々木邦明研究室の皆さんと合同で,村民の方々へのヒアリング調査を行いました!福田先生にご紹介いただき,また早稲田大学の佐々木先生のお取り計らいで,弊研究室からは長谷川と江橋が調査員として参加させていただきました.
地区ごとに担当を決めて村内の各家庭へ伺い,普段の暮らしに関する質問や,村の将来についてどのような考えを持っているかといった質問をしていきました.村民の皆さんにはとても好意的に受け入れて頂き,多くの方から包み隠さない率直なお話を伺うことができました.一方,過疎化・高齢化が進む村の深刻な現状を,具体的なお話とともに現実感をもって体感しました.僕はもともと地方の衰退に問題意識を抱え,この専攻,研究室に入ってきましたが,今回のヒアリング調査はその意識を改めて強める貴重な機会になったと思います.
また,4日間の寝食を共にし,佐々木研究室の皆さんと親睦を深めることができました.昨夏の長岡での合同ゼミ合宿に引き続き,今年もBBQ,スイカ割りに花火と,イベント盛りだくさんで,ヒアリング以外の時間も非常に楽しく過ごすことができました.色々と準備をしてくれた佐々木研究室の皆さん,ありがとうございました!
今回のヒアリング調査は,フィードバック資料としてまとめ,12月に予定されている村民の方による村の将来を考えるためのワークショップの材料としていく予定です.調査のサポートをしていただいた奈良県庁の皆さん,上北山村の皆さん,そして早稲田大学佐々木研究室の皆さん,貴重な機会を頂きありがとうございました![長谷川]
修論最終審査会
[2023年7月28日]
7月28日(金)に本郷キャンパスにて対面で,9月修了予定の学生の修士論文最終審査会が行われました.当研究室からはChee Yung,Krittanaiが発表し,審査の結果合格となりました.
発表題目は以下の通りです.
- Chee Yung: Development of a Semi-Dynamic Link-Based Transit Assignment Model
- Krittanai: How Do Prices Affect the Utilization of Ride-hailing Services: Evidence from Uber Japan Experiments
二人の発表に対し,羽藤先生,菊地先生,澤田先生,森本先生を始めとする先生方から大変貴重なご意見,ご質問を頂きました.この場をお借りしてお礼申し上げます.[長谷川]
沖縄本島実地調査
B4目賀です.先週末に沖縄を訪問しました.
卒業論文で扱う予定の観光交通渋滞を体験するために,本部地方が一年で一番混むとされている海洋博花火大会を体験しました.福田研究室との関わりもある琉球大学の上地さん(博士1年)には大変お世話になりました.渋滞に巻き込まれていただき,ありがとうございました.
懇親会も開いていただき,神谷先生のアツいお話も伺うことができました.この経験を糧に,研究に励んでいきます!みなさん,ありがとうございました.[目賀]