武者修行プログラム報告(Monash University)
M1の田中俊太郎です。
9月末から11月中旬までの2ヶ月弱、オーストラリアのメルボルン郊外に位置するMonash University, the Institute of Transportation Study のHai Vu教授の元で、「人々の異質性を考慮した逆強化学習ベースの移動活動モデリング手法の開発」という研究テーマのもと、武者修行プログラムの研究滞在を行いました。
滞在先においては、関連する文献レビュー・手法のフレームワークのアイデアについて、Vu教授との定例ミーティングや学生グループゼミの場を提供いただき、研究の問題設定や考えられる手法の発展について議論しました。また、メルボルンを含むビクトリア州のデータを提供頂き、分析を行いました。
議論の場においては、メルボルンと東京双方の移動活動パターンに関する社会状況の違いに加え、双方の都市の移動活動調査データ・手法においてどのような要素が表現できるのかについて多くのコメントをいただきました。
他の学生の研究では、我々の研究室と近接したテーマもある一方、大規模言語モデルとこれまでの移動活動モデルを組み合わせた研究など、今まで触れたことがないテーマの研究も多くあり、大変刺激的でした。また、ゼミの中では、常にどのように結果を比較検証するか?という最終的な論文でのアウトプットを意識した議論が為されており、自分の研究においても見習いたいなと感じました。
また、休日にはメルボルンの市内や郊外の観光も楽しむことができました。文化の多様性に支えられたバラエティ豊かな食文化・カフェ文化や、都市の人口増加に対応した鉄道プロジェクトが進む様など、都市の様々な側面を知ることができ、興味深かったです。
今回の研究滞在で得た学び・気づきを今後の修士課程での研究に活かしていきたいです。
最後になりましたが、Monash UniversityのHai Vu教授と学生の皆様、滞在の機会をご紹介いただいた福田先生, 早稲田大学の壇辻貴生先生、武者修行プログラムでの渡航支援を頂いた工学系研究科国際交流チームの皆様をはじめ、今回の研究滞在を支援いただいた皆様に感謝申し上げます。
[M1 田中]



バンコク滞在記
B4の更谷祐太です。10月末から11月初旬にかけて、卒業研究の一環としてバンコク(タイ)を訪問しました。私の卒業研究はバンコクの環境政策をテーマにしており、11月末からバンコクの住民を対象として省エネ行動に関するアンケート調査を行います。今回の訪問ではその準備として、チュラロンコン大学のVeera先生と研究室の学生や、職員の方に協力いただきテスト調査を実施したり、調査に協力してくださる現地の調査会社とのミーティングを行ったりしました。
学生や職員の方を対象としたテスト調査では、アンケートに回答してもらいながらその内容について議論し、質問や選択肢の内容から細かい文章表現に至るまで様々なフィードバックをいただきました。今回いただいた意見を踏まえて調査設計を改善することで、本調査がより効果的で精度の高いものになることを期待しています。
調査会社とのミーティングでは具体的な調査計画やスケジュールを確定させることができ、卒業研究のこれからの見通しが明確になりました。
また今まで文献や資料を通してしか知ることのできなかったバンコクの様子を実際に肌で感じることができ、調査や研究に直接反映されるものではないかもしれませんが、自らの糧になるような経験ができたと考えています。
最後になりましたが、現地でお世話になったVeera先生や研究室の学生の方々、プロジェクトオフィスの職員の皆様、また渡航に同行してくださった先生方に心から感謝申し上げます。


[更谷]
HAI2025に参加しました
慶應大学日吉キャンパスで開催された、機械やAIなどのエージェントと人間の相互作用に関する国際フォーラム (the 13th International Conference on Human-Agent Interaction) にて、当研究室修了生の中村香里さんが自身の修士論文の成果 “Endogenous Formation of Collective Behavioral Patterns of Human-Autonomous Mobility Interactions in Mixed-Use Traffic Environments” のポスター発表を行いました。
自動運転車両と人間の間の協調に関して、どのような規制・環境の下で効率的な行動が促されるかを進化ゲーム理論を用いて動学的に検証した研究です。ポスターセッション中にご質問いただいた皆様、フォーラムを主催くださった慶應大学の大澤先生をはじめとする方々、ありがとうございました。
https://hai-conference.net/hai2025/

[上町]
新任教員からの挨拶-Lubing Zou先生
はじめまして、10月に着任しました助教のZou Lubingです。
私は中国出身で、2018年に日本に来ました。2023年に博士号を取得した後、日本の民間企業で2年半ほど研究員として働き、この度アカデミアに戻ってきました。
私の研究は、未来の公共空間における歩行者と機械の共存と関わり、心理学と交通学に関連しています。
私の経験が皆さんの学びに少しでも役立てば嬉しいです。一緒に研究の楽しさを味わいましょう。

[Zou Lubing]
国際プロジェクトグループ旅行2025
福田研究室と国際プロジェクト研究室と合同で、毎年恒例のグループ旅行として那須旅行が開催されました。今年は当研究室のM1の学生が中心となり準備が行われ、多くのアクティビティが企画されました。
楽しい旅行はワイナリーに始まり、様々な種類のワインを堪能しました。そこではブドウから作られる一般的なワインのみならず、御用邸に献上されるワインや梅や牛乳から作ったワインなど、普段いただくことのできない上品なワインに舌鼓を打ちました。
夜は去年に引き続き、宿泊先でバーベキューを行いました。
国際プロジェクトグループには様々な国籍・文化圏の学生が在籍しているため、バーベキューを含む食事には気を使わなければならないのですが、そこはさすがの企画力。多種多様な食材を用意することで多方面に配慮しつつ、それぞれの食材の調理を楽しみながら味合うバーベキューとなりました。

最終日には近くの果樹園でりんご狩りを楽しみました。先生方も含めて美味しいリンゴを見極めようと真剣に吟味していて、いつもの研究室での様子とは違う姿を垣間見ることができ、密かに楽しかったです。
異なる研究室・出身国・学年の学生が多く参加した旅行でしたが、那須の新たな魅力を感じると同時に、普段はあまり話さない人とも交流する良い機会となりました。
企画大変お疲れさまでした!

[上町]
9大学計画系研究室対抗野球大会ベスト4!
2025年10月12日に、東京理科大学野田キャンパスで開催された計画系野球大会に参加させていただきました。
本大会は、近隣の計画系の研究室を集めて1981年から開催されている伝統のある野球大会です。今年は9つの大学が一堂に会し、東京大学からも本研究室を含む3つの研究室が1つのチームを組んで挑みました。
試合では野球経験者による豪速球が飛び交い、打者が打つのに苦慮する場面が多く見られ、ロースコアゲームの様相を呈していましたが、この日に向けて休み時間等にキャッチボールやバッティングセンターでの練習に励んでいた成果が実って打線がつながり、3勝1敗で4位入賞を果たすことができました。また、先生方の完封リレーや学生のダイビングキャッチ、特大ホームランなど、普段の生活では覗けない一面を垣間見たことも良い思い出となりました。
また、試合後には懇親会が開かれ、他の大学の学生とも親睦を深めました。
この大会の準備・運営にご尽力くださった芝浦工業大学のみなさま、東京理科大学のみなさま、誠にありがとうございました。来年度も楽しみにしております!

[上町]
新たなメンバーを迎え、今期のゼミが始まりました
2025年度のAセメスター(秋学期)が始まりました。
今期から、次世代インフラシステム研究室(福田研究室)には助教としてLubing Zou先生、博士前期課程の学生としてJehanさんが加わりました。これにより、本研究室は先生3名、学部4年から博士3年まで各学年の学生計14名にスタッフの方々を加え、約20名の研究室となりました。
年々規模を拡大し賑やかな研究室となってまいりました。研究室の発足から数年は一部屋に収まっていた学生部屋が今となっては手狭となり、複数の部屋に分かれて日々研究室生活を営んでいます。
新たに加わったメンバーと共に、今学期も論文執筆に向けて頑張ります!
[上町]
行動モデル夏の学校2025に参加しました
9月22日から24日にかけて、第24回行動モデル夏の学校2025が対面とオンラインのハイブリッド形式で開催され、当研究室からは修士1年と学部4年の計6名が参加しました。今年度は、東日本大震災の被災者の方々を含む、東北三県(岩手、宮城、福島)における十数年間の居住地変遷を記録した新しいパネルデータが提供されました。
私たちのチームは、このデータを用いた分析に挑戦し、多項ロジットモデル(MNL)による居住地選択モデルの構築を通じて「いかにして東京への人口流出を抑制できるか」という政策課題の解明を目指しました。分析では、東京への流出を特徴づける変数は比較的容易に見つかった一方、地域への愛着など「東北に留まる」選択の要因となる変数を特定することは非常に難しく、分析は困難を極めました。
しかし、限られた時間の中でチーム一丸となって試行錯誤を重ね、モデルの改善とパラメータの丁寧な解釈に最後まで努めました。その結果、全参加チームの中で6位入賞という評価をいただくことができました。今回は、分析が難しいデータへ果敢に挑戦したことで、行動モデルの奥深さに加え、粘り強く取り組むことが良いモデル構築に不可欠であると身をもって学ぶ、大変貴重な経験となりました。
このような素晴らしい機会をいただき、誠にありがとうございました。
[B4 伊藤]
Mogens Fosgerau先生との特別セミナー
9月19日に交通経済学の世界的な第一人者であるコペンハーゲン大学教授のMogens Fosgerau先生をお呼びして特別セミナーを開催しました。
セミナーでは壇辻先生(早稲田大学)、藤原先生(本研究室)、大山先生(東京大学交通・都市・国土学研究室)がそれぞれ研究に関するプレゼンを行い、それらに対してFosgerau先生が質問や助言をされました。
学会などでも多くは見られない極めて高度な議論が重ねられ、それぞれのプレゼンが1時間を超える状況でしたが、分野を牽引する研究者と先生方のやりとりは、聴講した学生にとっても大変貴重かつ学びの多いものとなりました。
直後に行われる行動モデル夏の学校や今後の研究に向けて、強烈な刺激を受けました。

[上町]
夏休み活動報告②~山口大学・琉球大学との合同ゼミ@長門~
9月12日から13日にかけて、山口県の長門にて山口大学榊原研・琉球大学神谷研との合同ゼミ合宿に参加させて頂きました。
初日の午後のゼミの冒頭、長門温泉の近隣自治体である美祢市の森山様から、豪雨災害により全線で運休している美祢線の復旧に関する議論について、講演を頂きました。地方鉄道の維持に関する自治体の考え方・取り組みを伺うことができ、大変貴重な機会となりました。
その後、1日目と2日目の午前にかけてポスター発表セッション、口頭発表セッションを行いました。先生や学生の皆様から普段の研究室内ゼミとは異なった視点から質問・助言をいただくことができ、研究を進めていく上で重要な示唆を得ることができました。
1日目の夜に近隣の飲食店で懇親会を行い、親睦を深めました。琉球大学の神谷研とは2年連続の合同ゼミとなりましたが、こうした、地域を跨いだ交流を続けていければありがたいです。


[上町]



