海外武者修行プログラム報告
M1の上町剛志です。工学系研究科の海外武者修行プログラムを利用して、11月下旬からマンチェスター大学とウィーン工科大学に計1ヶ月間滞在しました。
マンチェスター大学ではKaren Lucas先生にお会いして、自身の研究のプレゼンとディスカッションを行いました。私の研究テーマであるTransport-Related Social Exclusionの研究の第一人者にお会いするのは緊張しましたが、暖かく迎え入れてくださり、1時間半のやり取りで参考になる事例や研究の方針に関して助言をいただきました。
お忙しい中時間をいただき、最後に激励のコメントを頂戴するなど大変光栄な機会となりました。
ウィーン工科大学では専攻の卒業生でもある柴山多佳児先生が所属する研究室に滞在しました。滞在中は研究室の先生方と議論したり、ホームレス経験者によるツアーに参加したりする傍ら、実際に交通機関を使って研究に関連する地域、施設をあちこち回り、知見を広げました。現地の交通機関は運行頻度が高いだけでなく、市内のほぼ全ての交通機関がチケット1つで利用でき、改札も存在しないなど、使うハードルを下げる工夫がさまざま施されており驚かされるばかりでした。これらと低所得層などに向けた施策が合わさって排除が起こりにくい都市が作られていますが、その根底にある考え方や資料を、関連するテーマを扱う先生方に教えていただきました。
また柴山先生には、毎週打ち合わせをしていただいた上に欧州初訪問で生活に慣れるのに苦労していた私に必要な手続きからスーパー事情にいたるまであらゆることを教わり、大変お世話になりました。
最後の晩には研究室のクリスマスパーティーにお招きいただき、楽しいひとときを過ごしました。
この度、実りのある訪問の機会をくださった工学系研究科や福田先生、また滞在中も連絡をとってくれた同期や研究室メンバーに深く感謝いたします。
今回培ったものを研究や将来に活かせるよう、より一層頑張ります!
[上町]
(撮影:柴山多佳児先生)
THE 28TH INTERNATIONAL CONFERENCE OF HONG KONG SOCIETY FOR TRANSPORTATION STUDIES (HKSTS)@香港
M1の目賀です。12月9日~10日に開催された香港交通学会 (HKSTS: Hong Kong Society for Transportation Studies)の第28回年次大会にて、旅行時間が変動する状況下における観光客の情報獲得・経路選択行動モデル”JOINT INFORMATION-ACQUISITION AND TRAVEL CHOICE MODELING OF TOURISTS UNDER TRAVEL TIME VARIABILITY”と題して研究発表を行いました。選択肢の相関関係の設定についてのご質問や、クーポン施策についてのコメントをいただきました。ありがとうございました。
私にとって初めての国際学会ということもあり、とても刺激的な2日間でした。発表の質疑応答の場に加え、食事や休憩の時間でも、研究を志すさまざまな方々とお話しする機会がありました。その交流を通じて、自分の研究をより俯瞰して捉えられるようになり、視野が一層広がったと感じています。貴重な機会を提供していただき、心より感謝申し上げます。
[目賀]
岡村杯第三位!
今年も「岡村杯」の季節となりました!岡村杯は,社会基盤学専攻の研究グループ対抗で行われるソフトボール大会です。福田研究室は、国際プロジェクト・建設マネジメントの合同チームとして出場しています。
今年度は、福田研メンバーに野球経験者も多く、年度の初めごろから時間を見つけてはキャッチボールをしている姿がありました。トレーニングの成果もあり、総合第三位の成績を収めました。
今年度が福田研として初参加となったB4の松永君は、「いつも研究でかっこいい姿を見せていただいている先輩方と野球をするのは新鮮だった。野球をしている姿もかっこよかった」と感激のコメントを残しました。
来年の首位奪還に期待しています!
Dr.Henrikさん来日・基調講演
先日、コペンハーゲンから来日されているDr. Henrikさんが、国際プロジェクトグループの有志に向けて、基調講演を実施してくださいました。
Dr.Henrikさんは、福田先生がデンマーク工科大学にいらっしゃった頃の同僚で、今回で4度目の来日となります。
基調講演では、「Sustainable Urban Mobility and Local Climate Planning in Europe and Denmark in a Multi-level Governance Context」と題して、気候変動対策下における持続可能な都市交通への向き合い方に関してお話しいただきました。
講演の中では特に、地方自治体の役割が重要であることが強調され、その成功例としてデンマークでの地方自治体の自主プロジェクトDK2020が紹介されました。さらに、今後、各国や各自治体が完成させたフレームワークをどのように実現していくか、また、異なる利害関係を持つ自治体や国々がどのように調整し、一つの目標に向かって進んでいくべきかについて、私たちが向き合うべき課題を示してくださいました。
貴重なお話を伺うことができ、気候変動に対する意識を新たにする良い機会となりました。素晴らしい機会を提供していただき、ありがとうございました。
[中村]
EASTS 30周年記念イベント
先日、先生、Salsaさんと一緒に、東京で開催された東アジア交通学会(EASTS)の30周年記念イベントに参加しました。このイベントは、EASTSの30年間の成果の振り返りと、アジア全体の交通未来を形作る上でのEASTSのこれからの役割をテーマに開催されました。イベントでは、チュラロンコン大学のSaksith教授、現在EASTSの会長であるAndhika博士、インドネシア交通学会のTory会長をはじめ、交通分野で活躍する多くの著名な方々と出会い、交流することができました。さらに、東京科学大学のD3学生であるLiuさんとも、初めてお会いすることができました。
30周年イベントでまずは台湾、フィリピン、日本からの交通専門家が、災害耐性や交通インフラが脆弱な地域住民に与える影響について発表した合同セミナーが行われました。その後、EASTSの今後の役割を探るシンポジウムが開催され、インドネシアの大統領特使であるBambang Susantono教授による基調講演が行われました。講演「ヌサンタラ:インドネシアの未来首都建設の教訓と課題」では、インドネシアの壮大な首都開発プロジェクトについて探求されました。Bambang教授は、元アジア開発銀行(ADB)の副総裁でもあります。その後、アジアの持続可能性、包摂性、回復力に焦点を当てた新しいモビリティの時代に向けてEASTSがどのようにアジアを導くかについて、活発なパネルディスカッションが行われました。
翌日、Salsaさんと私はBambang Susantono教授とその秘書を東京大学にご案内させていただきました。安田講堂を訪れ、中央食堂でランチを楽しんだ後、未来イニシアティブセンターの慎二先生と会議を行いました。その後、Bambang教授はその後住友グループの幹部との会議に向かわれました。
これからのEASTSの歩みに期待するとともに、私の母国、インドネシアで開催される次回のEASTSの二年に一度の会議に特別な興奮を感じています。再び皆さんと再会し、アジアの交通景観を形作る革新的な議論に貢献できることを楽しみにしています。
[Aulia Rahman]
走行中給電技術に関する講演会
先日、当研究室OGで三菱総合研究所にて活躍される金子さんが、走行中給電技術に関する講演会を当研究室向けに開催してくださいました。 走行中給電にも様々な種類があること、その中でもワイヤレス式が日本で推される理由、その実現における課題、そして実用化にむけたタイムラインなど、私の研究の背景となる部分をより具体的に学ぶことができました。理解が深まったことで研究への思いが一層強くなりました。
引き続き、卒業研究の提出まで駆け抜けたいと思います。
[金岡]
the first International Symposium on Intelligent Technology for Future Transportation (ITFT 2024)@ヘルシンキ
M2の中村香里です。10月19日~21日にヘルシンキにて行われたthe first International Symposium on Intelligent Technology for Future Transportation に参加し、”Virtual Reality Experimental Study on Bicycle Environment Assessment Using One-Boundary Drift-Diffusion Model”と題する研究の発表を行いました。
この研究は、ウィーン天然資源大学(BOKU)のYusak教授と現地で博士課程に在籍するShunさんとの共同研究として、昨年9月から12月にウィーンに滞在させていただいた間に行ったVR実験の結果をもとにした研究です。私事ではありますが、初めての海外滞在や初めての共同研究として私にとって初めて尽くしのプロジェクトの成果をこのように発表できて嬉しく思います。ご質問を頂いたAivars Rubenis博士、ありがとうございました。
また、今回が初めての国際学会の経験となりました。自分の発表にいただいた質問だけでなく、現地で拝聴した世界中の研究や、休憩時間にお話しさせていただいた経験等、全てが学びになりました。
この経験をもとに、このプロジェクトの研究内容を改めてよりよくしていけるよう、引き続き精進したいと思います。貴重な機会をありがとうございました。
[中村]
ウィーン、サウザンプトン放浪記
M2の中村です。10月7日から24日まで、工学系研究科の海外武者修行プログラムの支援を受け、ウィーン天然資源大学(BOKU)のDAVeMoSとサウザンプトン大学のTransportation Research Groupに訪問いたしました。
BOKUへの訪問は昨年に引き続き2回目であり、昨年から継続しているリサーチプロジェクトについてのディスカッションとアップデートを行いました。
1年ぶりに会う研究室のメンバーは、とても懐かしく、皆に暖かく迎え入れていただいてとても楽しい滞在になりました。BOKUではフロアのダイニングにて昼食を一緒に取る文化があります。週末の予定や皆のライフイベントについて、お昼の時間にたくさん共有できて、研究の合間のとても楽しい息抜きの時間になります。
サウサンプトン大学Transportation Research Groupへは、初めての訪問となりました。Ioannis先生とのディスカッションのほかに、グループゼミでのプレゼンテーションの機会を頂きました。当日サウザンプトンは生憎の寒空と曇り時々雨といったイギリスらしい天気でしたが、皆さんに暖かく受け入れていただき、セミナーではたくさん質問を頂いて盛り上がるなどして、とてもいい経験ができたと爽やかな気持ちになりました。
2年に渡りヨーロッパの各研究室にそれぞれ訪問し、自分の研究に対して様々なご指摘とご助言、サポートを頂けたことで、私の修士活動は学びにあふれたとても充実したものとなりました。研究自体にも、こうした経験を生かしてより良いものを目指していけるよう、残り3か月も誠心誠意取り組んでいきます。
現地で受け入れてくださった、Yusak先生、Ioannis先生、また2度も快く送り出してくださった福田先生、本当にありがとうございました。
[中村]
新メンバーからのメッセージ②
こんにちは!私はサキブ・シャヒリオール・ファヒムです。東京大学大学院で土木工学の修士課程に挑戦するために、日本に来たばかりです。バングラデシュの首都ダッカで育った私にとって、交通渋滞で毎日約1時間の生産性が失われている自国の現状が、交通工学への道を選んだ原点でもあります。都市の生活をより快適にするために、この課題を解決したいという使命感から旅が始まりました。現在、福田先生の指導のもとで革新的インフラシステム研究室(LIIS)の一員として、交通システムの世界にさらに深く入り込んでいます。私の目標は、バングラデシュなどの発展途上国における、より効率的でエネルギーに配慮した、持続可能な交通ソリューションに貢献することです。
これからの冒険と挑戦が楽しみです!
[Sakib Shahrior Fahim]
新メンバーからのメッセージ①
福田研究室での新生活:適応と歓迎の経験
10月2日に東京大学に到着してから、福田研究室の皆さんに温かく迎えていただき、日本での学業や日常生活へのスムーズに移行することができました。到着時の涼しい秋の天候には、新しい人生の章を迎えるにふさわしい爽やかさを感じ、キャンパス周辺の色づき始めた葉や澄んだ空気に、個人としても、またキャリアとしてもにも新しいフェーズに踏み出したことを実感します。
初日に助けてくれたのは、上町さんです。異国での市役所での手続きや書類の管理は大変なものですが、彼の助けのおかげで非常にスムーズに進みました。到着したその瞬間から、必要な情報を提供し、住民登録の手続きや、日本での生活に必要なことについて丁寧に案内してくれました。
研究室のメンバーも非常に親切で、学業だけでなく東京での生活に関するアドバイスをたくさんしてくださいました。皆さんのフレンドリーさや、サポートによって、まるで自国にいるかような安心感に包まれながら生活することができています。
学業面だけでなく、私生活も順調に進んでいます。到着から数日後、研究室のメンバーと一緒に、地元の焼き鳥屋で飲み会がありました。私にとって初めての日本での飲み会で、リラックスした雰囲気の中、美味しい焼き鳥と飲み物を楽しみながら、研究の話から日本での生活まで、いろいろなことを話すことができました。焼き鳥屋での温かい交流と笑いにより、研究室の仲間との絆を感じさせ、研究室の一員であることを実感しました。このようなつながりを大切にし、皆が順調に馴染めるよう支えてくれる研究室の風土に感謝しています。
この新しい冒険が始まってから2週間が経ち、秋の風が東京を涼しく吹き抜ける中、すでに強い一体感を感じています。福田研究室の中でのチームワークと協力の精神はとても刺激的で、これから研究室のプロジェクトに貢献することが非常に楽しみです。学部や仲間のサポートを得ながら、東京大学での充実した経験を築いていけると確信しています!
[Aulia Rahman]