2024年度前期の福田研ゼミ活動
今年度も、弊研究室では、毎週水曜日にゼミを開講しています。
前期のゼミでは、毎週1名が研究の進捗を発表するResearch Progress Seminarを前半に、Learning Seminarを後半に行っております。
今年度は、工学部1号館の工事の関係で、いつもと異なる工学部11号館のセミナールームを使用しています。前年度等に利用していた部屋に比べ、部屋のサイズが小さく、部屋が暖色系のインテリアでまとめられているため、以前に比べ明るくアットホームな雰囲気になったように思います。
また、Learning Seminarでは、本年度はpythonやGISを通じたデータ処理の基礎について扱っています。後半の1時間でできることは限られていますが、ハンズオン形式で実践的に学ぶことができました。
弊研究室では、学生が多種多様な研究テーマを扱うため、Learning Seminarでの勉強内容がすべて個々人の研究テーマとマッチすることは少ないですが、前期のLearning Seminarを経ることで全員が基礎知識を等しく得ることができ、他者の研究に対する洞察が深まり、後期のResearch Progress Seminarではより踏み込んだ質問ができるようになっている気がいたします。
前期もあとわずかですが、引き続きいろいろなことを吸収していきたいです。(中村)
2024年度初年次ゼミナール
修士2年の中村です。
弊研究室の所属する国際プロジェクトグループでは、本年度、弊学1年生の必修授業である理科系の初年次ゼミナールを開講しています。
国際プロジェクトグループの教授陣による本授業に、私もTAとして参加させていただいておりました。
講義とグループワークで構成される本授業の、主にグループワークの回を拝見しておりましたが、1年生らしい新鮮な視点と勉強熱心な彼らが毎週仕入れてくる新たな知識に感化され、私も勉強になりました。
初回の授業日には、4年ぶりに駒場キャンパスに伺い、この4年で慣れた本郷キャンパスとは異なる雰囲気に、私も若返ったような気がしました。
今週は、授業の最終回として、羽田イノベーションシティへ見学に伺いました。
見学では、イノベーションオープンスペースである「PiO PARK」と、自動運転バスの見学、またロボットレストランの「AI_SCAPE」をご説明いただきました。
私は以前、境町でも自動運転バスに試乗させていただきましたが、その際はフランス製のNAVYA社のARMAという車体だったのに対し、今回はエストニア製のMiCaという車体を体験いたしました。MiCaは、日本仕様にカスタマイズして導入され、施設の方によると、NAVYA社のものより性能がいいそうで、最近新たに乗り換えられたそうです。今回試乗させていただいたルートでは、手動介入もなく「完全」自動運転での走行がされていて、1年前の見学よりもさらに実績を積んで自動運転の走行が可能になってきていることを感じました。
ロボットレストランはあいにく中に入ることはできませんでしたが、SFみたいな世界観で、是非今度ここで食事をしてみたいなと思いました。
2022年にできた本施設を訪れるのは私も初めてであったため、とても勉強になりました。
自分も1年生の時に履修した初年次ゼミナールに、最後の学年で再度かかわることができて、学んできたことと失ったことに気が付くきっかけにもなる貴重な経験になりました。(自身が学部1年生の時に書いた戦争と平和についての初年次ゼミナールのレポートも封印していましたが、5年ぶりに読み返してみたいような気持ちになりました。)(中村)
沖縄「ゆいまーるプロジェクト」の視察
6月末に沖縄の「ゆいまーるプロジェクト」の視察に福田先生がご参加されました。
「ゆいまーるプロジェクト」は、観光客によるレンタカー事故の多発の問題意識をもとに、トヨタ・モビリティ基金を中心に、沖縄県警、琉球大学、東京大学と連携したプロジェクトです。
今回の訪問では、トヨタレンタカーリース沖縄の視察や、交通危険個所の視察なども行われました。私も、沖縄旅行でレンタカーを運転したことがありますが、旧市街には細かい入り組んだ道が多く運転が大変だったことを覚えています。
当研究室では、沖縄やほかの地域のオーバーツーリズムに関する観光政策に関する研究を、学生たちの卒業研究などでも多く扱っています。沖縄県の人口146万人(2024年6月推計値:沖縄県企画部統計課 人口社会統計班)に対し、2023年には、国内客、外国人客をあわせて853万人の観光客が入域したといわれています。(日経新聞2024年5月2日記事)
現地の住民と、観光客が安全に快適に共存できる環境を目指し、交通工学の観点から課題に取り組めるよう問題意識を持つ必要があると改めて思わされました。
沖縄県企画部統計課(2024年6月1日更新)「推計人口」(2024年7月12日閲覧)
日経新聞記事(2024年5月2日)「沖縄の23年度観光客、国内客が過去最多の726万人に」(2024年7月12日閲覧)
卒業研究報告会@沖縄
M1の上町剛志です。
移動における格差に関心を持ち、取り組んできた「沖縄の貧困と交通」に関する卒業研究の報告会を6月末に県庁で行いました。報告会には今回初めてお会いする方々に加え、琉球大学神谷研の皆様や県庁の皆様、社会福祉協議会の職員など、研究でお世話になった方々がお越しくださいました。発表後には結果や考察に関して多くのコメントをいただき、修士で同様の研究を続けるにあたっての示唆を得ることができました。研究の今後の展開に対する期待する声も賜り、身の引き締まる思いです。実情を明らかにし、施策の提言に繋げられるような成果を得られるよう、今後も励んで参ります。改めまして、成果を現地に届けるという貴重な機会をいただき、また、あたたかく迎えてくださりありがとうございました。
この夏には琉球大学との合同ゼミも予定されています。また皆様とお会いするのが楽しみです!
[上町]
土木計画学研究発表会・春大会@北海道大学 その2
5月25日、26日に北海道大学で開催された第69回土木計画学研究発表会・春大会へ、当研究室の学部4年生の3名が、研究についてより深く知り今後の研究のカギを見つけるため、聴講参加しました。
(松永)5月25、26日に北海道大学で開催された土木計画学発表会に、私たちB4も聴講者として参加しました。ポスターセッションや発表を通して様々な研究を学べ、卒業研究について刺激をいただきました。また、M1の目賀さんの見事な発表や質疑応答を目にし、1年後になりたい姿をより具体的に考えることができました。貴重な機会を与えていただきありがとうございました。
(金岡)学会というアカデミックな場所、専門的で最先端な議論が交わされる場所に初めて行きました。各分野のプロフェッショナルが熱心に会話を構築している会場の熱気に圧倒されながらも、彼らの研究に向き合う姿勢は大きな刺激になりました。私も引き続き頑張っていきます。
(田中)聴講者として参加させていただきました。今回の学会では、研究発表の内容に食らいつき、質問を絞り出すので精一杯でしたが、聞いていく中で特に興味を惹かれる研究対象・手法を見つけることができました。自分の中で振り返り、今後の研究に活かしていきたいです。1年後には学会での発表・質疑共に質が高い議論ができるように精進します。貴重な経験をさせていただきありがとうございました。
土木計画学研究発表会・春大会@北海道大学
5月25日、26日に北海道大学で開催された第69回土木計画学研究発表会・春大会に修士1年生の目賀が発表を行いました。
静寂の中、大勢の方々の前で発表するような機会はあまり経験したことがなく、発表中は終始緊張してましたが、質疑応答が始まると、緊張感は薄れました。自分の伝えたかったことがしっかりと伝わった上で、面白いと褒めていただいたり、親身になってアドバイスをしていただいたり、とても嬉しかったです。
発表準備の際には福田先生と研究室のメンバーに、自分では気づけないわかりにく点をたくさん指摘いただき、とてもお世話になりました。
この経験を糧に、修士の2年間、悔いのない研究をします!![目賀]
能登半島地震調査 その2
5月14日、15日の二日間、能登半島地震調査に同行させていただきました。調査を通じて、まず、災害には能登半島の地形的な要因が大きく関わっているように感じました。数少ない半島内の道路が崩落や土砂によって遮断され、災害対応、復興の鍵とも言える、人や物資の移動が滞りました。能登半島北西部の海岸沿いでは、地盤が隆起し、港が使えなくなる被害がありました。軟弱地盤では液状化、地盤沈下も発生し、多くのインフラにダメージを与えました。地滑り地帯に位置するトンネルや橋梁は、地滑りの影響で通行不能となっています。しかし、いくらか特殊な地形的な要因はあるにしろ、都市一極集中、建物・インフラの老朽化、少子高齢化といった、災害被害を助長する問題の深刻化は日本の至る所で共通です。人、物、お金(特に発災直後は情報も)が満足には集められない中、復興復旧の優先順位や方法を検討する際には、汲み取りきれない意見もあり、心苦しい決断もあることかと思います。そのような中、工夫を凝らしつつ、尽力されている様々な立場の方々を拝見し、頼もしく思うと同時に、インフラに関わっていく身として、自分自身もその責任を重く自覚しました。調査の中で印象に残っている景色をいくつか紹介します。1つ目は海沿いの国道249号線です。斜面が崩れ、多くの地点で通行不能となっていました。日本海沿いの広大な風景が広がる中、傷ましい道路、斜面崩壊の後が残る光景は、自然の美しさと恐ろしさを同時に示していました。2つ目は盛り土の崩壊が多数見られる、のと里山海道です.土を盛りなおす、迂回路をつくる、橋をわたす、ランプを利用するなど、工夫をこらし、輪島市方面への移動を可能としていました。[目賀]
能登半島地震被災地視察
3月19日、20日、研究室有志で能登半島地震の被災地視察に伺いました。
初日は、富山駅から珠洲市に向かい、片側のみ復旧したのと里山道路を利用しました。大規模に崩落した個所もありながら、並走する一般道を活用するなどし早急に片側復旧された作業員の皆様のご尽力を感じました。どの箇所も工事は続いており、対面通行復旧に向けた取組がなされておりました。前後の車両には土砂を運ぶトラックも多く、復旧工事の数の多さも感じました。
土砂災害、津波、倒壊、液状化など多くの被害の現場を拝見し被害の激甚さを感じつつも、供用のはじまった応急仮設住宅や、建設中の応急仮設住宅も見学させていただき前に向かって動き出すコミュニティの姿も伺うことができました。
この被災地視察を通して、研究に関わるものとして、そして一大学院生として何ができるのか考え、自分のできる行動を積極的にとっていきたいと思いました。
卒業論文提出!
先週の修士3名に引き続き,本日4年生3名も卒業論文を提出しました!初めての研究および論文執筆ということで,慣れない部分も多く大変だったと思いますが,最後までやり切ってくれたように思います.来週には最終審査会を控えているので,一息つきつつも,そこで1年間の研究成果を上手く伝えられるよう頑張ってください!
[中村]
修論最終審査会
[2024年1月29日-31日]
1月29日(月),1月30日(火),1月31日(水)に本郷キャンパスにて対面で,修士論文の最終審査会が行われました.当研究室からは,M2の江橋,長谷川,Leeが発表しました.その結果,全員合格となりました.また,は古市賞を受賞しました.
各発表題目は以下の通りです.
- 江橋:大規模工事期間の渋滞予測と工事マネジメントの最適化手法の構築 -都市間高速道路集中工事を対象に-
- 長谷川:二地域居住促進施策が地域間人口分布に与える影響
- Lee:Tourist Activity-Travel Choice Modeling and Evaluation of Travel Demand Management Policies [観光地における周遊行動モデルの構築と交通政策の評価]