能登半島地震調査 その2

5月14日、15日の二日間、能登半島地震調査に同行させていただきました。調査を通じて、まず、災害には能登半島の地形的な要因が大きく関わっているように感じました。数少ない半島内の道路が崩落や土砂によって遮断され、災害対応、復興の鍵とも言える、人や物資の移動が滞りました。能登半島北西部の海岸沿いでは、地盤が隆起し、港が使えなくなる被害がありました。軟弱地盤では液状化、地盤沈下も発生し、多くのインフラにダメージを与えました。地滑り地帯に位置するトンネルや橋梁は、地滑りの影響で通行不能となっています。しかし、いくらか特殊な地形的な要因はあるにしろ、都市一極集中、建物・インフラの老朽化、少子高齢化といった、災害被害を助長する問題の深刻化は日本の至る所で共通です。人、物、お金(特に発災直後は情報も)が満足には集められない中、復興復旧の優先順位や方法を検討する際には、汲み取りきれない意見もあり、心苦しい決断もあることかと思います。そのような中、工夫を凝らしつつ、尽力されている様々な立場の方々を拝見し、頼もしく思うと同時に、インフラに関わっていく身として、自分自身もその責任を重く自覚しました。調査の中で印象に残っている景色をいくつか紹介します。1つ目は海沿いの国道249号線です。斜面が崩れ、多くの地点で通行不能となっていました。日本海沿いの広大な風景が広がる中、傷ましい道路、斜面崩壊の後が残る光景は、自然の美しさと恐ろしさを同時に示していました。2つ目は盛り土の崩壊が多数見られる、のと里山海道です.土を盛りなおす、迂回路をつくる、橋をわたす、ランプを利用するなど、工夫をこらし、輪島市方面への移動を可能としていました。[目賀]

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