研究論文紹介(都市計画学会)

[2017年11月]

都市計画論文集 Vol. 52 (2017) No. 3 都市計画論文集が刊行され、博士後期課程の壇辻さんの以下の研究が刊行されました。

Wi-Fiパケットデータを用いた観光客の滞在時間特性把握の可能性に関する研究 奈良県長谷寺参道における試み(壇辻貴生・杉下佳辰・福田大輔・浅野光行),都市計画論文集 Vol. 52 (2017) No. 3 都市計画論文集 p. 247-254.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalcpij/52/3/52_247/_article/-char/ja/

以下、壇辻からの簡単な報告です。

2016年7月より早稲田大学の都市・地域研究所と共同で行なっている「長谷寺門前町周辺地区のまちづくり」に関する活動の一環として行われた,Wi-Fiパケットセンサを用いた観光客の回遊行動特性の把握に関する研究論文が,都市計画学会論文集に掲載されました.早稲田大学都市・地域研究所の顧問である浅野光行名誉教授と朝倉研究室博士2年の杉下佳辰君と共同で行なってきた研究です.奈良県桜井市の皆様と佐藤滋早稲田大学研究院教授、大木一研究員をはじめとした都市・地域研究所の皆様に多くの協力を頂きました.ここに,深謝の意を表します.

壇辻

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Wi-Fiパケットデータを用いた観光客の滞在時間特性把握の可能性に関する研究 -奈良県長谷寺参道における試み−

壇辻貴生・杉下佳辰・福田大輔・浅野光行


観光政策を考える上で,観光客の回遊行動を把握することは重要である.これまで,,観光客の回遊行動の把握は,アンケート形式による交通行動調査に基づく場合が多かった.しかし,アンケート調査は,時間とコストがかかること,サンプルに偏りが出ることなどが難点として挙げられる.他方,近年のスマートフォンの普及により,スマートフォンから発信されるプローブリクエストに着目した人々の交通行動分析の可能性が拡がりつつある.そこで,本研究では,観光客の行動に関する基本的な情報の一つである’滞在時間’に関して,Wi-Fiパケットセンサーから得られたデータ分析を通じ,その特性を明らかにすることを目的とする.鉄道利用観光客の方が,自動車利用者より約46分長い時間初瀬地区に滞在していることや来訪時間によって滞在時間の特性が変わることなどを明らかにした.

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